なぜ木の家が健康に良いと言われているのでしょうか。 「健康的に暮らせそう」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。実はそれは単なるイメージではなく、木の家には住む人の健康に良い影響をもたらす、いくつかの具体的な特徴があります。その特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
木材には、湿度が高い時には空気中の湿気を吸収し、乾燥している時は水分を放出するという性質があります。この調湿機能により、エアコンへの依存度を下げたり、カビやダニの発生を抑えたりする効果が期待できます。また、呼吸器系への良い影響をもたらす可能性もあります。
アレルギーやアトピーの原因のひとつとされているのが、人体に有害な化学物質です。木の家は、そうした有害化学物質を抑えることができます。特に無垢の木材を使用し、壁や床にも自然素材を取り入れることで、アレルギー抑制効果をさらに高めることが期待できます。
人間は森林浴によってリラックス効果を得ることができますが、その理由は木々や植物が放出するフィトンチッドという成分によるもの。家の建材として加工された後も、その効果は継続されます。また、木には弾力性があるため、足や膝にクッション効果をもたらします。さらに、木の持つ独特の温もりを感じることもできます。
自然素材を用いた家づくりには、より高度な技術や豊富な知識が求められます。合板や集成材は、化学処理や機械加工が施され、扱いやすいように規格化されています。一方、無垢材や自然素材は、それぞれ独特の特徴や癖があり、経年変化による反りや伸縮、変形が発生することもあります。これらを見極めた上で施工するには、熟練した職人技が欠かかせません。
木の家に限らず、すべての建材において、適切なメンテナンスを行うかどうかが建物の寿命を大きく左右します。特に、無垢材や自然素材を使用した場合は、カビの発生やシロアリによる被害がないかを定期的にチェックし、必要に応じて対策を講じることが不可欠です。
木の家には、フィトンチッドという成分によって、森林浴をしたときのようなリラックス効果が期待できます。この効果には科学的なエビデンスがあります。群馬県の森林で高齢者を対象に行われた実験では、1時間の森林散策後に血圧の低下が確認され、心理テストでも憂うつ感の減少が確認されています。
フィトンチッドによるリラックス効果に加え、木の家には、人間に心理的・生理的な心地よさをもたらす効果があることが研究で明らかになっています。人間は古くから木の家に慣れ親しんできた歴史があり、その記憶や経験が心理的な安心感として形成されていることが確認されています。また、木材の質感や手触りの心地よさ、木目の模様の美しさを感じるといった生理的感覚も備わっていることが明らかになっています。
出典:J-STAGE「木質居住環境が人間にもたらす影響の評価手法」
木の家は、湿度調整による快適な室内環境、アレルギー対策、リラックス効果など健康に寄与する特徴を持っています。メリットを最大限に生かすためにも無垢材や自然素材の選定、メンテナンスが重要です。